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さくらんぼの品質向上のために重要なことは、葉や果実への日当たりを確保することです。今日はそのための着色管理方法について紹介します。
着色管理は、まず、枝吊りや誘引を行い、枝同士の間隔をあけます。これらの作業を最初に行うことで、過剰な新梢管理や葉摘みを防ぐことができ、労力の軽減と樹勢を保つことに繋がります。
次に、日当たりを妨げている新梢を取り除きます。幹の周りや主枝の基から出ている新梢を主体に整理し、枝の中ほどから先の方に出ている新梢は残すようにしましょう。
最後に葉摘みを行いますが、今年の6月も高温予報となっています。樹の上部や外周部は高温障害果が発生しやすいため、葉摘みを控えます。樹の下枝や内部は、果実の間に潜り込んだ小さい葉や、果実に覆いかぶさっている葉を摘む程度にとどめ、短果枝に大きな葉が4、5枚残るようにしましょう。
特に、樹勢が弱い樹では、高温障害果が発生しやすいため、葉摘みを控え、果実を早めに収穫しましょう。
秋に出荷する県産トルコぎきょうは、草姿のバランスが良く、ボリューム感もあるため全国的に高い評価を得ています。高品質なトルコぎきょうを生産するには、健全な苗作りが重要となります。今回は、育苗管理の大切なポイントを紹介します。
これから気温が上がってくる時期の育苗で問題となるのが苗のロゼット化です。ロゼットとは、葉が放射状に重なり、茎が伸びず、花が咲かなくなることで、苗が小さいうちに高い温度に遭遇することで発生しやすくなります。
そのため、ハウスを遮熱資材で被覆したり、ハウスの側面を開放するなどの対策を行ってできるだけ涼しく管理し、ロゼット化を防ぎます。
次に、水管理のポイントです。発芽が揃うまでは、土の表面が乾かないように管理します。ミスト装置で灌水を行う場合は、タイマー等を使用して、1日に4~8回程度を目安に灌水します。本葉が出始める時期から定植までは、粒径の細かい散水器具で、毎日灌水しましょう。
高温と乾燥を避ける管理で、ロゼット化しない健全な苗を育てましょう。
近年、さくらんぼで発生が目立つ害虫の一つがウメシロカイガラムシです。二年枝や三年枝に寄生しやすく、多発すると枝が真っ白になります。ウメシロカイガラムシは雌成虫が越冬し、例年5月20日過ぎに、ふ化したオレンジ色の幼虫が歩いて移動し始めます。この時期が防除適期ですので、樹の上部までよく観察し、遅れないよう薬剤防除を行いましょう。
一方、果実では、オウトウショウジョウバエに注意が必要です。この害虫が園地内で発生すると果実内部に産卵し、ふ化した幼虫が果実内部を食害します。被害は、着果数が多く果実が重なり合った部分に多く見られるので、園内をよく観察しましょう。表面に果汁がしみ出ている被害果実を見つけた場合は、すぐに摘み取って処分し、薬剤防除を行います。収穫する際は、オウトウショウジョウバエの発生源となるのを防ぐため、樹上に果実を残さないようにしましょう。
病害虫防除の基本は早期発見・早期防除です。園地をよく観察して生育に合わせた防除を行い、品質の高いさくらんぼを生産しましょう。
春の農作業が本格化しています。例年、4月から5月にかけて農作業事故が多く発生しており、なかでもトラクターなどで移動中の転落死亡事故や、作業機の点検中に大けがを負うような痛ましい重大事故が多く発生しています。
トラクター運転中の事故を防止するためには、ヘルメットやシートベルトの装着の徹底や、安全フレームの装備、圃場から路上へ出る前にブレーキの連結ロックの確認が重要です。また、作業機を動かす時は周りに人がいないか確認し、点検等で座席を離れるときは必ずエンジンを止めるようにしましょう。
また、事故が発生しても、すぐに助けを呼んだことで重傷にならなかったケースがあります。そのため、作業はできるだけ2人以上で行ってください。1人で作業をする時は、家を出る前に家族に作業計画を伝え、作業中は携帯電話を常に身に着けましょう。家族や地域ぐるみで農作業事故を防止しましょう。
間もなく、さくらんぼ雨よけハウスのビニールを被覆する時期になります。被覆の前に、ハウスの部材やマイカ線の点検を行いましょう。
まずは、ハウスパイプやクランプなどを点検し、腐食が進んでいる場合は、交換します。特に、柱の地際部は腐食が進みやすいため、しっかりと確認しましょう。
次に、マイカ線の点検と交換を行います。古いマイカ線は被覆期間中の強風に耐えられないだけでなく、被覆作業中に切れることが多く、転落事故の原因にもなります。マイカ線は、ハウスパイプとの接触部などが劣化しやすいため、一本ずつ接触部を点検し、ほつれなどがみられる場合は交換しましょう。
雨よけビニールの被覆や除去作業時の痛ましい転落事故が毎年発生しています。雨よけハウスの妻面などには、足場を設置して安全に、作業できるようにしましょう。また、疲れている時は作業を行わない、濡れた靴ではハウスに登らない、ヘルメットや命綱を着用するなど、基本的な対策を徹底し、安全な作業を心がけましょう。